* ミュージカル CoCo〜 は誰でも参加できる市民劇団です。 *

いつも私の芝居の照明プランをやってくれている同じ福島出身の後輩君から、ある日電話が入った。「演出家を探しているアマチュア劇団があるんだけど、ノザさんしかいないと思って。」しかいないかどうかはさておき、いつもお世話になっているがんばり屋の後輩の頼みは断れない。
早速狛江に伺ってみると、これまた『芝居やりたそうな』つぶらな瞳が32個も・・・。しかし、この“出会い”時点で、公演まで3ヶ月と少し(注：稽古は土日3時間のみ。私は4月がＮＧ)。台本も決まっておらず、予算も限られたなか、それでもミュージカルがやりたい！！と言う、私のお仕事史上でもかなりダイハードな条件だった。
私はうなりつつ、皆さんに聞いてみた。「それでも演りますか？」
CoCo〜のメンバーは全員口を揃えて「演ります」と応えた。
「では、いざ！」と言う訳で月日は飛ぶように流れ去り、本日いよいよ本番とあいなった。
皆さん、公演おめでとう。
今日おいでくださった観客の方々と存分に楽しんで下さい。私を稽古場で楽しませてくださったように・・・。
あの時、皆さんが勇気を出して「演ります」と言葉にした思いを、舞台の上にのせるお手伝いができて、私はとても幸せです。出会えた事に感謝。
そして、次なる新たな出会いのために、幕を開けよう！！

本日はCoCo〜の公演へお越しいただき、有難うございます。思えばCoCo〜の前身、たまりばプロジェクトからのお付き合いで、5年目となりました。チョコチョコ歩くだけでまだ話せない子が今回セリフを言い、泣きそうな顔でお稽古していた子が立派に自分で考えた表情で演技するようになりました。もちろん大人の方も少しづつ少しづつ伸びて素敵になって来ています。
今回新たな演出家、野崎さんの元で演技指導を受け、新しい自分を発見した出演者がたくさんいたと思います。
「舞台に立つ→自分を見つめる」事だと常々思い感じ、自分も反省し、出演者にも今回特別にきびしく接しました。年上の人生の先輩に厳しくするほど落ち込みます。そして子どもに接するときほど「やり直しがきかない」とも感じます。
本日は「ほら！〜〜して」の声もなく、お客様の前で伸び伸びと演じる事をどうか楽しんでほしい！
どうかどうか、暖かく見守っていただける「舞台の上で観客に好かれる出演者」になってほしい！と願います。

ミュージカルCoCo〜第2回公演、おめでとうございます！皆さんの熱意でとうとうこの日を迎えられました。
何もないところから一つの決心を持って「何か」をつくりあげる事は、舞台に限らず日常の生活においても多くの労力と時間が必要になりますよね。そんな時に、ある喜びをもって困難に立ち向かっていけるような人になりたい・・・と私はよく思います。でもなかなか勇気が持てないし、具体的な方法が見つけられない事がほとんどです。自分が正しいのか間違っているのか自信が持てなかったりします。皆さんがひとつの舞台に関わる時、きっとこんな考えが常につきまとうのだと思います。楽しいけれど辛い事の方が多く、自分で判断しなければならない事がたくさんあります。でも、丁寧に大事に育てた分だけ思いがけないほどたくさんの実りがある事だけは事実です。
皆でいろいろな花を咲かせましょう！

いよいよ念願の本公演となりました。
この日を迎える事ができ、CoCo〜のメンバーと、舞台を支えて下さる方々との素敵な「出会い」に改めて感謝いたします。
短期間で必死に練習してきたメンバーの、熱い想いが舞台で花開きますように。そして今日また、たくさんの素敵な「出会い」が生まれますように・・・。

川に足をひたしていると、流れの中にリボンのように、ちがう冷たさが流れているのを感じることがあります。
道をあるいていて、ふっと、風の気配がかわることがあります。
そんなとき、わたしは一瞬、べつの世界、べつの時間のなかに、まぎれこんだような気持ちになります。
(どこにいるんだろう、わたしは何をしているんだろう)
そんな気持ちのとき、このはなしを書きました。
そのとき、わたしはランであり、ランの母さんであり、池であり、けやきであり、風であり、とてもいそがしく・・・。
そして、へんにさびしかった。
(原作・あとがき　より)